開業から1か月以内に届け出ましょう
今日から個人事業主(フリーランス)として仕事をするぞ!
…という時に必要な手続をまとめました。
手続そのものはたいして難しくありません。ただ、期限があるので、開業でバタバタして忘れてしまった、ということがないように、早めに済ませてしまいましょう。
税務署へ開業届を提出
一般に開業届と呼ばれている書類、正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」という書類を所轄の税務署に提出します。
「開業等の事実があった日から一ヶ月以内」に提出と期限が定められているので注意しましょう。この「開業等の事実があった日」に明確な定義があるわけではありませんが、一般的には店舗を開店したり、広告用のウェブサイトをオープンしたりと、外観上の開業が認められる日とすれば問題ありません。
開業届は税務署で入手できますが、国税局ウェブサイト(PDF注意)からもダウンロードできます。
提出の方法は、所轄税務署へ直接持参するか、郵送します。直接持参の場合、受付時間は平日の8:30~17:00までです。間に合わない場合でも、時間外の投函ポストがありますので、そこに入れておけば問題ありません。もっとも直接持参のメリットは窓口の担当者の方にチェックしてもらったり相談したりする点にあると思いますので、投函ポストに入れるくらいなら郵送のほうが手間がなくてよいと思います。
さて、この開業届、所得税法第229条に基づいた手続なのですが、特に出さなかった場合の罰則規定があるわけではありません。罰則がないのであれば提出不要なのでは…と考える方もいるかもしれませんが、青色申告を行う場合には必須です。青色申告による税務メリットがほしい方は、必ず提出するようにしましょう。
青色申告承認申請を提出
晴れて個人事業主になった場合、自身で納税の手続、すなわち確定申告を行うわなければいけません。
申告には白色申告と青色申告の二種類があり、青色申告を行うには申請手続が必要になります。青色申告の詳細については青色申告のメリットと必要な経理処理に譲りますが、一言でいえば、「きっちり申告書を作成することで、税金の控除金額が増える=節税できる制度」だと考えればよいです。
主なメリットとしては、以下の4点が挙げられます。
- ①青色申告特別控除…最大65万円の所得控除が受けられます。
- ②青色事業専従者給与…配偶者や親族に支払った給与を、届け出ている範囲内で必要経費に算入できます。
- ③貸倒引当金…売掛金、貸付金の帳簿残高の5.5%までを貸倒引当金に繰り入れた場合、必要経費に算入できます。
- ④損失の繰越…純損失を3年間繰り延べ、所得から控除することができます。
手続は「所得税の青色申告承認申請書」という書類を提出します。
この申請書は、開業届同様に税務署で入手するか、国税局ウェブサイト(PDF注意) からダウンロードします。提出方法、時間帯も同様なので、上記を参照してください。
提出期限は、青色申告書による申告をしようとする年の3月15日までですが、1月16日以降に開業の場合は、当該開業日までになりますので、注意してください。
まとめ
個人事業主として開業に必要な手続きは、たったこれだけです。所要時間は30分くらいでしょうか。
なお、これらの書類は、控えの提出が求められる場面があるため、必ず取っておくようにしましょう。ここで言う「控え」とは原本の「コピー(複写)」のことではありません。同じ書類を二枚作成し、それぞれに税務署の受領印をもらって、一部を提出して一部を控えとして保管します。
ここを忘れると、例えば後々事業用口座を開設するときに困ったりするので、気を付けましょう。