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青色申告のメリットと必要な経理処理

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とっても簡単、個人事業主の開業手続で、青色申告を行うための手続を記載しました。

今回は、青色申告の制度についてもう少し詳しく、そのメリットと申告のために必要な経理処理について解説します。

青色申告のメリット

青色申告は、きちんとした経理処理を行うことで、税務上のメリットを受けられる制度です。具体的な優遇制度は以下の通りです。

  1. ①青色申告特別控除
  2. ②青色事業専従者給与
  3. ③貸倒引当金
  4. ④純損失の繰越控除

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

①青色申告特別控除

青色申告特別控除は、正規の簿記の原則に従って経理処理を行った場合(後述)には最大65万円、簡易的な経理処理を行った場合は10万円の所得控除を受けられる制度です。

所得控除とは、本来の所得金額から控除分だけ差し引いてくれる、という意味です。ざっくり言うと税金の金額は所得に税率を乗じて計算されるので、控除の金額が大きければそれだけ節税効果が高くなります。例えば所得330万~695万であれば税率が20%なので(注:記事執筆時点。所得税の税率参照。)、おおざっぱな計算では65万円の控除を受ければ65万円*20%=13万円の節税効果がありますが、10万円では10万円*20%=2万円の節税効果にしかなりません。

この差は大きいので、せっかく青色申告制度を利用するのであれば、正規の簿記の原則による経理処理を行い節税効果を高めるべきです。

②青色事業専従者給与

これは簡単に言えば、家族に給料を支払った場合に一定の範囲で必要経費にすることができる、という制度です。

家族が個人事業主の仕事を手伝っていて、その対価として給料を支払っていても、原則的には必要経費にはなりません。これを無制限に認めてしまうと、家族内で所得が移転しているだけなのに、税金の支払金額を意図的に下げることができてしまうからです。

この制度を利用するためには、青色申告の届出に加えて、「青色事業専従者給与に関する届出書」という書類を所轄税務署に提出し、承認を受ける必要があります。この書類は税務署で手に入るほか、国税庁ウェブサイト(PDF注意)からダウンロードできます。

必要経費として認められるのは、この書類に記載した金額の範囲内で支払われたもので、かつ、その勤務時間や勤務内容、他の従業員の給与状況、事業の損益状況等に照らして妥当と認められるものに限られます。

なお、事業の損益状況によって、家族を扶養に入れたほうが有利な場合と青色事業専従者給与の制度を使って必要経費としたほうが有利な場合がありますので、個々の状況にあわせての判断が必要です。

③貸倒引当金

貸倒引当金とは、事業で発生した売掛金などの債権の回収が不可能と見込まれる場合に、あらかじめその回収不能分を損失として見込み計上するものです。

貸倒引当金は、個別に引き当てるものと、一括して引き当てるものに分かれます。個別というのは、例えばA社に対する売掛金が回収できないだろうと個別具体的に予測する場合に、その売掛金を損失処理するケースです。一括して引き当てるのは、個別具体的な相手ではなく、債権全体に対して一定の割合を乗じて回収不能額を見込むものです。

この引当金は、損失が確定しているわけではなく、あくまで見積の段階です。青色申告を行っていれば見積の段階で必要経費になる=節税効果がある、というところがポイントです。

④純損失の繰越控除

これは事業に赤字が出てしまった場合、その赤字額を翌年以降の所得から控除できる制度です。

例えば1年目が100万円の赤字、2年目が50万円の黒字(課税所得の意味です)、3年目が100万円の黒字だったとします。この制度を利用できない場合は、1年目は赤字で税金の支払はなく、2年目は50万円に税金がかかり、3年目は100万円に税金がかかります。

一方、繰越控除を適用すると、1年目の赤字を翌年以降に持ち越すことができます。したがって、2年目は50万円の黒字に1年目の赤字をぶつけて所得0、3年目は2年目でも控除しきれなかった50万円の赤字を相殺して、50万円の所得に対して税金がかかることになります。

特に事業のスタート段階では大きな赤字額が出ることも珍しくないため、この制度の恩恵は大きいと言えます。

必要な経理処理

上記で、青色申告のためには正規の簿記の原則による経理処理が必要と説明しました。ではこの正規の簿記の原則とはどういうものか。字面はずいぶんとっつきにくい印象ですが、慣れてしまえばそれほど大変なことはありません。

要するに、複式簿記を用いて、貸借対照表と損益計算書を作ればよいのです。

この記事は簿記の仕組の解説が趣旨ではないのでさらっと書きますが、複式簿記とは、ある取引を2つの要素に分解して記録する記帳方法です。逆に言えば、1つの要素で記帳する方法が単式簿記ということになります。

例えばある商品を100円で売って、1ヶ月後に入金がある、というケース。複式簿記を使うと売上の時点で(借方)売掛金100円/(貸方)売上100円というふうに記録します。この借方、貸方というのが2つの要素です。この要素は、原因と結果、と考えればしっくりくるかもしれません。日常語で書けば、(貸方)売上100円という原因があり、結果として(借方)売掛金という入金を受ける権利=債権を得た、という意味になります。

このように、借方、貸方の2つの要素で取引を記録した結果出来上がるのが、貸借対照表と損益計算書です。ごく簡単に言えば、貸借対照表は、ある一時点の事業の資産や負債の状況を示す書類(=ストック情報)であり、損益計算書はある一定期間の収益と費用の動きを示す書類(=フロー情報)です。

さらっと、と言いながらかえって難しい印象を与えてしまったかもしれません。実際、かつては正規の簿記の原則による記帳を行うには、相当程度の知識の習得が不可欠でした。でも今は、会計処理を手伝ってくれるサービスがたくさんあるので、正確な知識がなくてもある程度は記帳ができるようになっています。

特に、ソフトウェアのインストールが不要なクラウド・サービスが増えてきました。代表的な例として、freeeMFクラウド会計弥生の青色申告オンラインがあります。

それぞれのサービス毎の癖というか特徴があって、単純にどれがベストとは言えません。事業のスタイルや会計、税務に関する知識の程度によって使うべきサービスが異なってきます。サービス毎の特徴についてはまた項を改めて解説していきたいと思います。

なお、経理処理に加えて、青色申告を適用する場合は帳簿類の保存期間も白色申告とは異なるので留意が必要です。青色申告の場合、「帳簿」「決算関係書類」「現金預金取引等に関係する書類」(請求書、領収書、通帳など)は7年、その他の書類(納品書、請求書控、契約書など)は5年の保存が求められます。

まとめ

青色申告のメリットと必要な経理処理について説明しました。

最初はとっつきにくい制度かもしれませんが、クラウド・サービスの普及により、格段に簡単に経理処理ができるようになっています。これまで青色申告を行っていなかった方も、税務メリットがとりやすくなっているので、ぜひトライしてみてください。

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